これこれ、いつか読もうと思っていた本をやっと読んだ。
「なぜいつもあなたの恋愛はうまくいかないのか」、原題はThe Intimacy Struggleと、邦題はよりストレートなタイトルだけど、そのものズバリ、リレーションシップの本だ。
アダルトチルドレンは元々、アルコール依存症の家庭で育った大人を指すコンセプトとして生まれたけど、今では、それ以外の機能不全な家庭で育った大人も含まれる。
じゃ、機能不全家庭って一体何?!ってなる。
これ、私は今風にいうなら「心理的安全性」に欠ける環境で育ったという意味になると思う。
いろんな理由で、子どもの頃に自分らしく生きることができないまま大人になった人は、この、ジャネット・G・ウォイティツの本を読むと、少なからず当たってると感じるんじゃなかろうか。
そして、恋愛関係だけでなく、人間関係の悩みがある人、苦手意識がある人も、この本はおすすめ。
つまり、あなたが機能不全家庭出身かどうか、アダルトチルドレンなのかどうかはどうでもよく、より良い人間関係を築きたい人なら考えてみる価値があることが書かれてると言いたい。
私はこれまで、セッションではよくリレーションシップ問題を取り扱っていたけど、自分のリレーションシップに関してはいつもめちゃくちゃだった。
雑に扱ってきた。
あってもなくても良いものだと完全に信じてた。
私の両親も二人の間にある問題を夫婦で共に解決しようと、話し合おうとはしなかったし、超えられない溝があるからと言って離婚もせず、共依存の関係を父が死ぬ間際まで続けた。
本人たちはきっと「向こうが話をしたがらなかったからだ」とか、「子どもにはわからないんだよ」とか言うだろう。
確かにそういうこともあるだろうけど、そんなことは微塵も問題じゃないのだ。
私にとって問題は、目の前に良いお手本がなかったことと、それを見て育つうちに私自身が何を学んでしまったか?ということなんだな。
私の周りの同年代女子の多くは独り者で、「もうええねん」と言う人も多い。
ただ、「もうええねん」と言ってても、本当のところはわからないし、本人ですら気づいてない場合もある。
ここに、石井ゆかりさんの「黒い鳥の本」の1ページがあるんだけど読んでみてほしい。(p.234)
何度読んでもドキッとする。
本当にもう諦めちゃっていたり、色々な理由で一人が良いと思っているケースもあるかもしれないけど、石井ゆかりさんの文章にあるように、やっぱり人間って「愛し愛される」ことが前提で生まれてきてるんだなと思う。
それはその人にとって大切な何かを学ぶため。
恋愛ほど、人を成長させてくれることってないんじゃないだろうか、っていうぐらい、人はこの親密な関係から色々学ぶと、ウォイティツも言ってる。
でも、辛い。
辛いのは自分と向き合わないといけないからだ。
石井ゆかりさんの「薔薇色の鳥の本」(p.187)
「もうええねん」と言ってる方が楽というのもある。
そう言ってれば、訳のわからない外野からごちゃごちゃ言われることもない。
私もそんな風に行ったり来たりしながら、自分も相手もコミットできない人ばかりと付き合ってきて、半ば諦めた頃にすごいインパクトのある出来事があった。
ロックダウンだ。
3年ぐらい続いたロックダウンで骨の髄まで感じたことがある。
それは、「恐らくこんな理不尽なことはまた起きるよ。けどまた一人でそれに立ち向かうの絶対無理」というものだ。
見つからなかったらそれで良いけど、やってみないとねーとだけ心に決めた。
それで今お付き合いしてる人と出会ったけど、彼はアダルトチルドレンじゃない。
でも、非の打ち所がない人はいない。
これもアダルトチルドレンにありがちな思い込みだけど、「相手には問題がなく、問題は私」というやつも捨てねばねと。
これは被害者意識とも通ずる。
この本、「なぜいつもあなたの恋愛はうまくいかないのか」にも書かれてるけど、恋愛や結婚などの親密な(intimate)リレーションシップは、アダルトチルドレンにとって難しいのは言うまでもないけど、機能不全じゃない家庭出身者にとっても難しいことなのだ。
まだまだ調整中だし、どうなるかは誰にもわからない。
しかし、未来は今歩いてる線上にあるわけだから、こうやって私がやってるシャドーワークには何らかの意味があり、それなりの未来へ繋がってるんだと感じる。
ロックダウンを経験して「ダメだ。私は一人では生きていけない」と感じた時から、どんなに傷ついて後悔しても、人と出会い続けると決めたのだし。
ま、ちょっとずつ、私も安心して自分を出していけたら良いなと思う。