久しぶりに、この祭囃子が聞こえた時のことを話したので書いておこう。
関西某県にある、御神体が山の、巨大な鳥居があるあの神社に行った時のこと。
一緒に行った友人と、御神体の山に登ることになった。
三分の一か、四分の一ぐらい登ったところで、突然、その友だちの花粉症がひどくなって、「私はここまででいいから、一人で行ってきて」と、私は一人で頂上まで行くことに。
友人は「下で座って待ってるから」と、一人で今来た道を戻って行った。
御神体は、山とはいえ、小さいので割と急勾配だったけど、私は息切れもせず、ひょいひょいっとてっぺんまで行けた。
頂上でのことはあまりよく覚えてないけど、見晴らしは無くて、木々や巨石があった記憶がある。
「さ!降りよっと!」と思い、サクサクと降り始めた。
遠く麓に、入山許可を取った辺りも見えた。
少し降り始めた時、麓の方から、楽しげな祭囃子が聞こえてきた。
すごく楽しそうで、誰かが踊ってそうな感じがして、私は「これはもう見るしかない!」と思って、どんどん降りて行った。
もう、忍者かっていうぐらい、岩から岩へ、ジャンプする時もあるぐらいのスピードで降りて行った。
おそらく30分もかからないうちに下まで降りて、友人のところへ行き「あれ?お祭りかなんかやってたでしょ?」と聞くと、「????」
麓では何の催しも行われてなかったの!
これを、こういうことに詳しい方に話すと、「それは天狗じゃないか」と言われた。
そう、鞍馬とかの天狗。
あの天狗。
その方曰く、「天狗が現れる時は、祭囃子の音が聞こえるんだそうです」
その方の友人が、赤い肌の、いわゆる天狗を見たことが2回ほどあって、その時に祭囃子が聞こえたらしい。
私は天狗を見た覚えはないけど、確かに、鈍臭めな私にしては、随分身軽に、あの傾斜を降りてったと思う。
それで今日、ある方とそんな話になって、その人が「そういう時は、別の次元と繋がってる」んじゃないか?と。
その人も、まだ未成年だったころ、どこか山奥の廃屋に肝試しに行った時、真っ暗な山中で車から降りた途端、風もないのに「ブランコが動く音」が聞こえたんだって!
私の祭囃子は陽気なチューンだったし、日中で、周りにもたくさんの人がいたからよかったけれど、そんな真っ暗な山中で、そんな音聞いたら「…」びっくりしたと思う。
こんな不思議な体験をさせてもらった。