パンデミック中のイギリスでよく聞いた英単語は、Jab。
それは、お注射のこと。
ジャブと発音します。
使い方はこんな風。
Have you been jabbed?
お注射は打ちましたか?
I haven't been jabbed.
お注射を打っていません。
I've been jabbed.
お注射を打ちました。
I won't have the jab.
お注射を打ちません。
I will have the jab.
お注射を打ちます。
皮下注射を指す単語は本来、Injection(インジェクション)なんですが、どうしてジャブなの?!
不思議に思い検索すると、なんと、そのまんまの記事がガーディアン紙から出てきました!
www.theguardian.com/books/2021/feb/04/why-do-we-call-vaccinations-jabs
ー以下抜粋(拙訳)ー
…なぜCovid-19ワクチンを "ジャブ "と呼ぶのだろうと不思議に思うかもしれない。なぜジャブは「注射」という意味になるのだろうか?
動詞 "jab "はもともとスコットランド語で "job "という擬音語であり、16世紀以降、鳥をつつく動作を表すのに使われ、その後、突いたり、突き刺したりする動作に使われるようになった。(ロマンチックに言えば、"to job faces "は相手に熱烈なキスをすることを意味します)
そのため、ボクサーの利き手ではない方の手で打つストレートパンチを意味する "jab "も使われています。(1901年のイギリスのボクシングチャンピオン、ロバート・ジェームズ・"ボブ"・フィッツシモンズの護身術マニュアルには「できれば左手でジャブを打て」とアドバイスされている)。また、嘲笑や揶揄の意味もあり、「言葉のジャブ」とも呼ばれる。
一方、医学的な意味での「ジャブ」は、1914年の犯罪スラング辞典に紹介されているように、あまり好ましくない由来を持っている。「モルヒネやコカイン中毒者の間で流行しているジャブ、皮下注射のこと"」…
ー抜粋終わりー
おお〜、面白い!
元々、擬音語で、こう「ぶっすり」突き刺すイメージなわけですね。
犯罪スラング辞典ってことは、日本の刑事ドラマとかで、薬物中毒者が「シャブ漬け」みたいに言われますが、あれもジャブの活用形だったりするのか????
と思いきや、違うようです。
keisaisaita.hatenablog.jp/entry/2019/05/29/200502
いや驚いた、調べる人、いらっしゃるんですねぇ。(あ、私もか!)
「アンプルを振った時の水分の音」が語源であれば、英語のJabの語源と同じで擬音語からですね。
はい、これで今日は、Jab、Injection、覚えましたね?
ついでに、義務を表すMandatoryも覚えてしまいましょう。
パンデミック英語では、
No Mandatory Vaccine
ワクチン義務化無し
としてよく見ましたが、本来はこんな風に使われます。
例えば、大学のオリエンテーションで。
It's mandatory to take at least one foreign language class for the first year at the university.
大学入学後1年間は、少なくとも1つの外国語の授業を受けることが義務づけられています。
例えば町内会?の会議のお知らせに、
Attendance at the meeting is mandatory./会議への出席は必須です、と書かれていたりします。
つまり、言われた時に「いえ〜い♪」とならないことが対象になるわけです。
だから、間違っても、
It's mandatory to have one desert after lunch. /昼食後にデザートを1つ食べることが義務付けられています、なぁんてことにはならないわけです。
というわけで、私たちが、自分のために誰かに対して使わない単語のひとつであり、
これがチラつく時、誰も自ら進んでやろうとしないことが対象になっているということです。
類義語にCompulsoryがあり、それは、Compulsory Education・義務教育です。
ね?「いえ〜い♪」じゃないでしょ?
だから今回も、打った人、打たなかった人、打たない人が、一致団結して反対したわけです。
逆に、「いえ〜い♪」なエネルギーを持つのが、
Freedom of choice
選択の自由
Freedom ofの後を入れ替えれば、バリエーションも作れます。
Freedom of expressionで、表現の自由。
Freedom of occupationで、職業の自由。
全て、自分に直接関わるし、「いえ〜い♪」と広がるエネルギーを持つ言葉。
それが、Freedom of〜です。
というわけで、パンデミック英語でした。